梅雨の湿気の中でも 芳香剤なしで猫の部屋のにおいを抑える方法

この記事の目次
  1. においは広がるんじゃなくて、たまる
  2. 三か所を疑う。トイレの後ろ、畳んだ布団、開けていない部屋
  3. 乾かす、風を通す、拭く。この順番を変えない
  4. 猫の鼻から見れば、芳香剤は「消臭」ではなく「追加」
  5. それでも香りを使う日のために
  6. 梅雨明けまで、毎日同じ判定をする

猫の部屋のにおいは、芳香剤を足しても消えない。梅雨どきに効くのは順番のほうで、においの出どころを「トイレ周り」「湿った布団・カーテン」「閉め切った部屋」の三か所に絞って特定し、そこを乾かす、二方向に風を通す、低臭の拭き掃除で落とす。これを先にやると、香りで覆う必要そのものが薄くなっていく。

玄関のドアを開けて、傘を閉じて、廊下に上がる前の一拍でわかる日がある。梅雨の午後、うちの空気は「濃い」というより「こもっている」感じで、奥から何かが戻ってくる。以前はそこで脱臭スプレーを一吹きしていた。今はやらない。やっても翌朝には同じ場所に同じ空気が戻ってくる、ということを何度も見てしまったからだ。

においは広がるんじゃなくて、たまる

うちで最初にわかったのは、においは部屋じゅうに均一に薄まってはいない、ということだった。発生源のまわりに層になって残っている。だから「部屋のにおいを消す」と考えているうちは当たらなくて、「どこに残っているか」に切り替えたほうが早い。

まず、一緒に床に手をついてみてほしい。トイレのトレーの後ろ、壁とのあいだの数センチ。指先を置くと、ひんやりする。表面は昨日拭いたはずなのに、その冷たさだけが残っている。うちで最初に見つけたのはそこだった。

三か所を疑う。トイレの後ろ、畳んだ布団、開けていない部屋

トイレ周りは、毎日いちばん確実に湿る場所だ。猫が入る、シートが触れる、床に飛ぶ。トレーを外に出して、その下の床を素手で触ってみると、乾いている日としっとりしている日の差がはっきりある。しっとりしている日は、においも強い。当たり前だけど、原因と結果が同じ場所にある。

布団はもっと厄介だった。押入れの奥に畳んだ敷きパッド、梅雨入り前にしまった毛布。触ると表面は乾いているのに、押すと中のほうが冷たい。これが部屋の空気にじわじわ効いてくる。カーテンも同じで、洗ってあっても梅雨に干しきれずに戻すと、その水分を部屋に置いているのと同じことになる。

三つめは、開けていない部屋。使っていない和室のふすまを開けた瞬間に、つん、と空気が変わる。閉め切った部屋は、においも湿気も逃げ場がない。猫が入らない部屋だからと後回しにしていた場所が、いちばん溜まっていたりする。

乾かす、風を通す、拭く。この順番を変えない

順番には理由がある。先に湿度を下げておくと、拭いた面が早く乾く。乾きが早いほど、においの元が戻ってくる速度も遅い。だから拭くのは最後でいい。

乾かす。布団は布団乾燥機でも、除湿機をかけた部屋で扇風機を当てるのでもいい。天気のいい日が三日続かないのが梅雨なので、その日にまとめて、を狙わないほうが続く。カーテンは梅雨入り前に洗って完全に乾かしておく。それだけで六月の空気が少し変わる。

風を通す。窓は二方向。一方向だけ開けても、うちではほとんど動かなかった。五分から十分、タイマーをかけて開ける。窓がひとつしかない部屋なら、ドアを開けて廊下側と窓で抜く。閉め切らなければならない日は、換気扇を回したままにする。人の感覚より、機械のほうが忘れない。

拭く。トイレのトレーをいったん外に出して、床を素水か低臭のクリーナーで拭く。重曹もセスキ炭酸ソーダも日本では低臭の掃除道具としてよく使われているが、まいたままにせず、拭き取るかすすぐところまでが一組だ。粉が残ると足の裏につくし、その粉自体が湿気を吸って固まりやすいので、梅雨には逆効果になりうる。セスキは素手で長く触らないようにしている。

猫の鼻から見れば、芳香剤は「消臭」ではなく「追加」

猫の嗅覚は、一般的に人よりずっと鋭いとされている。ここを一度、頭に置いてほしい。こちらが「かすかにいい香り」と感じる濃さは、猫にとっては一日じゅう顔の横で匂い続けている状態になりうる。しかも猫はトイレの近くで過ごす時間が長い。

だから芳香剤を足すのは、自分の鼻をなだめる作業であって、猫の環境を整える作業ではない。この二つを混ぜないようにしている。混ぜると、においが消えないたびに量が増えて、部屋の空気がどんどん「別のもの」になっていく。

それでも香りを使う日のために

来客の前とか、どうしてもという日はある。そういう日は、香りを置く前に一度だけ出どころを拭く、と決めている。順番を守るだけで、置く量が半分以下になる。置き場所は猫の通り道とトイレの近くを避ける。これも、効果があるからではなく、ぶつけないためだ。

香りで覆った日は、翌日の朝にもう一度床を触る。冷たければ、覆っただけで何も終わっていない。

梅雨明けまで、毎日同じ判定をする

うちでは、除湿機のタンクに溜まった水の量を毎日見ている。多い日は、空気が重い日だ。窓を開けた時刻と、床の感触と、タンクの量。この三つだけを小さく記録している。

今は、玄関を開けても何も戻ってこない。特別なことは何もしていない。乾かして、風を通して、拭いただけだ。それが一番わかりやすい判定になっている。

縁側の猫係

著者について

縁側の猫係

幼い頃から猫と共に暮らしてきた人たちの著者名義です。畳や縁側のある暮らしのなかで、日々の食事、毛づくろい、トイレ、季節の備えを重ねてきた経験をまとめています。

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