うちの猫が7歳を過ぎたら、健診の間隔はどう変えていくべきか

この記事の目次
  1. 子猫の頃のカレンダーは、健診の暦ではなかった
  2. 大人になって、年1回が基準になった
  3. 7歳という数字より、体重計の目盛り
  4. 換算した年齢と、推定の誕生日
  5. 間隔を動かすサインは、診察室の外にある
  6. 短くする負担と、理由を確かめること
  7. 同じ「年2回」でも、中身は猫ごとに違う
  8. 暦は、獣医と一緒に更新していく

7歳を過ぎた猫の健診は、年1回から年2回へ切り替えるのがひとつの目安です。ただし、切り替える年齢が表やカレンダーで決まるわけではありません。健診の間隔は猫の一生のなかで何度も形を変え、子猫のワクチン期は1か月単位、成猫期は年1回、シニア期に入ってから年2回というように、段階ごとに移っていきます。どの時点で切り替えるかは、日々の変化を獣医に伝えたうえで、その猫のために一緒に決めるものです。

うちの猫が7歳を過ぎたら、健診の間隔はどう変えていくべきか

うちの猫が7歳になった秋、私は診察台の横に立っていました。看護師さんがキャリーから猫を出し、体重計に乗せます。うちにあるのは人間用の体重計で、私が抱っこして測って自分の分を引くやり方です。200グラム単位の誤差なんて普通に出ます。だからその日、診察室の体重計に表示された数字が、この一年でいちばん信用できる体重になりました。

先生は前の記録と並べて、「少し減っていますね」と言い、カルテをめくってから「そろそろ半年に1回にしましょうか」と続けました。その瞬間まで、私は7歳という数字のほうを見ていました。間隔が変わったのは、年齢のほうが理由ではなかったのです。

子猫の頃のカレンダーは、健診の暦ではなかった

うちの猫が家に来たのは生後2か月のころで、最初の1年はカレンダーがまったく別のもので埋まっていました。ワクチン、便の検査、駆虫、体重と成長の確認。間隔は1か月、また1か月と短く、とても「年1回」とは呼べないものでした。あの時期の通院は健康診断というより予定表で、こちらが決める余地はほとんどありませんでした。

今思うのは、あの頃のリズムを大人になっても引きずる必要はない、ということです。子猫の1年目はワクチンのシリーズを終わらせるための期間で、成猫の年1回とは目的が違う。同じ「通院」という言葉でまとめてしまうと、切り替わりが見えにくくなります。

大人になって、年1回が基準になった

1歳を過ぎたあたりから、間隔がぐっと伸びました。年1回です。うちは毎年同じ月、ワクチンの時期に合わせて予約を入れています。

この年1回は、病気を探すためだけのものではないと私は捉えています。毎年同じ条件で体重、歯、被毛、心音を見てもらい、その日の様子を一行だけメモに残す。すると翌年、「去年と比べてどうか」を比べられる基準ができます。基準がないと、変化は変化として見えてきません。年1回のいちばんの仕事は、この基準を作り続けることなのだと思います。

7歳という数字より、体重計の目盛り

一般的には、健康な成猫は年1回、7歳ごろからは年2回が目安になると言われています。私も最初はそう覚えました。ただ、うちの猫が実際に年2回になったのは、7歳という数字が理由ではありませんでした。体重の線が右下がりになったからです。

その日、先生が説明に使ったのは年齢ではなく、前回と今回の体重の差でした。200グラム少し。私が家の体重計で見ていたら、たぶん「誤差の範囲」で流していた量です。実家で暮らしている同い年の猫は、今も年1回のままです。同じ7歳でも、間隔が同じになるとは限らない。これが、私が実際に立ち会って得た実感です。

換算した年齢と、推定の誕生日

7歳という数字を最初に見たとき、私は人間の年齢に換算して安心していました。まだそんなに年を取っていない、と。でも先生が使っていたのは換算した数字ではなく、成猫期なのかシニア期なのかという段階のほうでした。段階で見るというのは、間隔の話をするときに「何歳だから」ではなく「今どの時期だから」で考えられる、ということです。換算は会話のきっかけにはなりますが、暦を決める根拠にはなりません。

2匹目は保護猫で、家に来たときに推定3歳と言われました。誕生日はわかりません。だから私のカレンダーには、「推定3歳になるころ」という曖昧な印が入っています。しかも推定は、あとから動くことがあります。うちの子も、先生が「思っていたより若いかもしれない」と言った年がありました。そのとき、推定齢を起点に組んでいた暦は静かにずれました。暦は絶対ではなく、更新される前提で持っておくものだと、あのときに覚えました。

間隔を動かすサインは、診察室の外にある

健診の日に先生へ渡すものがあります。スマホのメモです。書いているのは、水皿の減り方、朝のトイレの回数と様子、ジャンプしなくなった場所、毛づくろいにかける時間、抱っこしたときの手の感触。どれも診察室では作れない情報です。

体重の変化、被毛や毛づくろいの変化、動きの少なさ、飲水やトイレの変化。これらは、次の健診を前倒しするかどうかを考える材料になります。健診の日に思い出そうとしても無理なので、日々一行だけ書いておく。渡すものがあると、間隔の相談が「年齢だから」ではなく「この変化があったから」に変わります。同じ「そろそろ年2回ですね」という言葉でも、根拠のあるなしで重みが違って聞こえます。

短くする負担と、理由を確かめること

年2回になると、キャリーに入れる回数が増えます。うちの猫は車が苦手なので、これは小さくない負担です。だから私は、間隔を短くするときは理由を聞くようにしています。今日は何のために来て、次は何を見るために来るのか。それを自分の言葉で説明できるなら、負担は引き受けられます。説明が曖昧なまま回数だけ増えるのは、猫にとっても私にとってもいいことではありません。

間隔を短くするのは、安全側に倒すことだけを意味しません。通院そのものが猫のストレスになる以上、回数を増やす判断には理由が要る。だからこそ、切り替えの時期は表ではなく、その猫を診ている人と決めるのだと思っています。

同じ「年2回」でも、中身は猫ごとに違う

診察のたびに聞かれるのは、避妊去勢の有無、外に出るかどうか、他の猫と暮らしているか、食べているもの、トイレの種類です。これによって、その日の話題も、次に確認することも変わります。避妊去勢の有無や外出の有無は、獣医が毎回の健診で何を話すかを決めるときの材料になっている、と待合室で何度も感じました。

間隔が同じでも、中身は猫ごとに違う。だから「7歳になったら年2回」という一文だけで予定を立てると、回数だけが増えて中身が空になることがあります。私が大事にしているのは、回数より先に、その日何を話すかです。

暦は、獣医と一緒に更新していく

子猫のワクチン期、成猫の年1回、シニア期の年2回。この移り変わりは、表で決まるものではなく、体重計の数字と日々のメモを材料に、かかりつけの獣医と毎年更新していくものです。切り替えの時期を自分だけで決めようとすると、根拠のない焦りか、根拠のない安心のどちらかになってしまいます。

私の場合、切り替えの合図は診察台の体重計の目盛りでした。あなたの猫の合図は、たぶん別のところに出ます。だから、うちの猫の話をそのまま当てはめるのではなく、次の健診で「今の時期の間隔はこれでいいか」と一度聞いてみる。その一言から、その猫の暦が始まります。

縁側の猫係

著者について

縁側の猫係

幼い頃から猫と共に暮らしてきた人たちの著者名義です。畳や縁側のある暮らしのなかで、日々の食事、毛づくろい、トイレ、季節の備えを重ねてきた経験をまとめています。

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