夏の留守中に締め切った部屋の窓辺は思っているより危険な暑さ

この記事の目次
  1. 扇風機は空気を動かすだけで、室温は下げない
  2. 窓を開ける瞬間に、脱走のリスクが戻ってくる
  3. 窓辺から猫を動かす、という発想
  4. 家で何とかしようとしてはいけないサイン
  5. 出かける前に見る5分

夏の留守中、締め切った部屋でいちばん危ない暑さが集中するのは窓辺です。同じ部屋の床とは別の場所だと考えてください。だから対策は二つ同時に立てます。室温そのものを上げない仕組み(エアコンのタイマー運転)と、窓を開けるときに脱走を止める仕組み(網戸とストッパー)です。片方だけでは、どちらかが必ず抜けます。

夏の留守中に締め切った部屋の窓辺は思っているより危険な暑さ

帰宅して玄関のドアを開けた瞬間、むわっとした空気が顔に当たる。朝にエアコンを切って出た日の、あの空気です。私はまずリビングの窓に手のひらを当てます。ガラスはまだ熱い。窓辺に置いたキャットタワーのステップも、触ると温かい。足元のフローリングは、それほどでもない。同じ部屋なのに、手のひらの感覚がまったく違う。ここで毎年、同じことを思います。部屋の温度はひとつじゃない。

日本の夏の窓辺は、「部屋の一部」ではなく「日射を受ける面」です。南向き、西向きの窓は午後になるほど強く日を受けます。カーテンを閉めていても、閉め切った部屋に熱の逃げ場はありません。猫はそのいちばん熱い場所に、いちばん長くいることが多い。高いところが好きだから、という理由でタワーの上段に寝ている姿を、私たちは「いつものこと」として見てしまいます。

扇風機は空気を動かすだけで、室温は下げない

留守中の部屋で扇風機を回しておけば安心、というのは半分だけ正しい。風は体感を変えますが、室温そのものを下げる力はありません。締め切った部屋の中で空気をかき混ぜても、熱は部屋の中に残ったままです。人がいない部屋は、外気と日射で上がり続ける。上昇を止める手段が要ります。

私が使っているのは、エアコンのタイマー運転です。出かける前に「何時に切れるか」ではなく「何時に動き出すか」を設定しておく。リモコンのタイマーでも、スマートフォンのアプリでも同じことです。狙いは温度を下げきることではなく、上昇を止めること。人が快適に感じる温度より少し高めでも、締め切った部屋で過ごすよりはずっといい、という判断です。

ただし、これは完璧な方法ではありません。停電やブレーカー、機種によっては設定が消えることもある。だからエアコンだけに頼らず、後で書く日陰と水を重ねておきます。

窓を開ける瞬間に、脱走のリスクが戻ってくる

暑いから窓を開ける。その瞬間、網戸の外側に猫がいる可能性が戻ってきます。日本の窓は引き違いが多く、網戸はレールに乗っているだけです。猫が爪をかけたり、体当たりしたりすると、思っているより簡単に外れます。網戸の鍵、補助錠、窓の開閉ストッパー。ベランダに出る窓なら、脱走防止ネット。これを暑さ対策と同じ棚に置いてください。

一度、網戸を少し開けて換気していたときのことです。猫が網戸とサッシの隙間に鼻先を入れて、そのまま押し広げようとしていました。音で気づいたからよかったものの、留守中なら誰も止めません。換気は「開けっぱなし」ではなく「人が見ている時間だけ」が基本になります。窓辺の暑さと網戸の隙間は、同じ一つの窓の話です。だから私は、この二つを別々の対策として覚えないようにしています。

窓辺から猫を動かす、という発想

エアコンと網戸を整える前に、できることがあります。窓辺のベッドやキャットタワーを、夏のあいだだけ動かす。日陰をつくる(すだれ、遮熱フィルム、厚手のカーテン)。猫が自分で移動できるよう、ひんやりした床面への通り道を残す。洗面所や廊下のタイルは、リビングの窓辺よりずっと涼しい場所です。きれいな水は、窓辺から離した場所と、寝ている場所の近くの両方に置きます。

うちでは夏だけ、タワーの上段にのぼりやすい踏み台を外します。上に行きにくくすると、自然と低い場所で寝るようになる。無理に降ろすより、行きにくくする。猫の好みを尊重しながら、危険な表面から距離を取るやり方です。

家で何とかしようとしてはいけないサイン

ここから先は、家の中で対処する話ではありません。口を開けて息をする(パンティング)、よだれが多い、伸びたまま反応が鈍い。このどれかが出ていたら、その場でできることを探すより先に、動物病院に連絡してください。夏の猫は、こちらが気づいたときには状態が進んでいることがあります。かかりつけの番号と、夜間の連絡先を冷蔵庫に貼っておく。それも夏の準備のうちです。

出かける前に見る5分

最後に、私が実際に玄関を出る前にやっていることです。

  • エアコンのタイマーを確認する(切れる時間ではなく、動き出す時間)
  • 網戸の鍵、ストッパー、補助錠を確認する
  • 窓辺のカーテンやすだれが閉まっているか見る
  • 水の器が2か所以上にあるか
  • 猫がどこにいるか、目で確認する(窓辺に固まっていないか)

毎年同じことを確認しています。慣れると雑になるので、順番を決めて、同じ順に家の中を見て回ります。

窓辺の暑さそのものを消すことはできません。けれど、その暑さが集中する場所から猫を離しておくこと、そして窓を開けるときだけ脱走のリスクが戻ってくるという二つの性質を一緒に覚えておけば、夏の留守番はずいぶん落ち着いて見送れます。

縁側の猫係

著者について

縁側の猫係

幼い頃から猫と共に暮らしてきた人たちの著者名義です。畳や縁側のある暮らしのなかで、日々の食事、毛づくろい、トイレ、季節の備えを重ねてきた経験をまとめています。

チームを知る