子猫の爪切りは足先タッチから 4段階で慣らす練習の進め方

この記事の目次
  1. 膝の上で、爪切りを出さずに終わる夜
  2. 4段階は、前の段階で落ち着いて終われた日だけ次に進む
  3. 1分やろうとしない。30秒で切り上げる
  4. 噛むのは普通のこと。噛まれてからやめるのでは遅い
  5. 前足から始める
  6. 練習している間にも、爪は伸びている
  7. うまくいかない日は、触るところまで戻る

子猫の爪切りは、爪を切るところから始めない。足先に触れる、足を軽く包む、肉球を押して爪を出す、そのうえで1本だけ切る。この4段階をこの順番のまま、1回1分未満の短い練習として週に何度も繰り返す。切る技術より先に、足先に触られても体がゆるんでいる状態を作る。それが、後から押さえ込む側に回らずに済む一番の近道になる。

子猫の爪切りは足先タッチから 4段階で慣らす練習の進め方

膝の上で、爪切りを出さずに終わる夜

うちの子が家に来て最初の頃、私は爪切りを洗面所の引き出しの奥にしまった。出すのはまだ先だと決めていた。

夜、部屋の明かりを少し落として、膝の上で丸くなった子猫の背中を2、3回撫でる。毛がまだ産毛みたいに柔らかくて、手を当てたところが温かい。手のひらをゆっくり前足の方に滑らせて、甲に指の腹をそっと置く。子猫は耳だけぴくりと動かして、目は閉じたまま。そこで私は手を離して、その日は終わりにする。

これを何日か続けた。その間、爪切りは一度も出していない。

なぜこんな地味なことをするのかというと、子猫の足先は、いきなり握られると「捕まった」という感覚で刷り込まれやすい場所だからだ。逆に、触られても何も起きない、という経験を先に積んでおくと、あとで爪切りを出したときの反応がまるで違ってくる。順番の問題なのだと思う。

4段階は、前の段階で落ち着いて終われた日だけ次に進む

練習の中身は単純で、次の4つを順番にやるだけになる。

1. 足先に触れる

指の腹で、前足の甲にそっと置く。掴まない、握らない。触れて、子猫の体がゆるんだままなら離す。爪先まで指が届いたら、その日はここで終わってもいい。

2. 足を軽く包む

親指と人差し指で、足首の細いところを包む。力を入れず、1秒、2秒。時計を見る必要はなくて、「まだ逃げていないな」と感じたところで離す。握られる感覚に慣れるまでの段階になる。

3. 肉球を押して爪を出す

親指の腹で肉球を後ろにそっと押すと、爪がにゅっと出てくる。押した瞬間に指を離す。爪が出る感覚だけを覚えてもらう段階で、ここではまだ切らない。

4. 1本だけ切る

爪先のごく一部だけを切る。子猫の爪は薄く、血管(クイック)が占める割合が成猫より長い。だから1回に切る量は本当にわずかでいい。切る角度や位置の細かい話はここでは扱わない。やりたいのは、切る前に足先を触らせてもらえる体を作るところまでになる。

各段階は、前の段階で子猫が落ち着いたまま終われたときだけ次に進む。1と2を行き来する日が何日あってもいい。というより、行き来しているほうが普通だと思っている。

1分やろうとしない。30秒で切り上げる

子猫の集中は長く続かない。1回の練習を1分未満にして、週に何度もやるほうが、まとめて10分やるよりずっと残る。これは私が何度も失敗してたどり着いた結論になる。

長くやろうとすると、途中で子猫が飽きて足を引っ込める。それをもう一回、もう一回と引き戻すと、その瞬間に練習が「取り合い」に変わる。取り合いになった足先は、次に触ったときの合図が喧嘩になる。

だから、まだ大人しいうちに終わる。爪を1本切って、子猫が「もういい?」という顔でこちらを見たなら、そこで終わりにする。続きは明日でいい。

噛むのは普通のこと。噛まれてからやめるのでは遅い

子猫は手を動かせば噛む。遊び噛みは成長の過程で普通に出る行動だから、噛まれたこと自体を怒る必要はない。ただ、噛まれてから手を引くと、「噛めばやめてもらえる」という順番を教えてしまう。

だから噛まれる前に終える。手のひらの中で体が固くなった、しっぽがぱたぱた動き始めた、目が爪切りのほうに向いた。そのどれかが出たら、その日はもう切り上げる。噛まれる前に終われた日の積み重ねが、足先を触っても喧嘩にならない関係を作る。

前足から始める

前足は、子猫が普段から自分で伸ばしている場所になる。遊んでいるときに爪を引っかけて引っ張る、眠くなったときに毛布をふみふみする。つまり、爪が出る感覚そのものに、気持ちいい記憶がすでにくっついている。

後ろ足は、蹴るための足だ。触られると反射で蹴りたくなる。だから最初は前足だけで練習して、後ろ足は前足で4段階が通るようになってから、同じ順番で始める。焦って両方いっぺんにやると、たいていどちらも嫌になる。

練習している間にも、爪は伸びている

伸びた子猫の爪は、カーテンや絨毯のループ、飼い主のニットに引っかかる。引っかかったまま子猫が焦って引くと、爪が割れたり、根元を傷めたりすることがある。

だから、家に来て最初の数か月のうちには、一度は爪先を整えておく必要が出てくると考えていい。全部を一度に切る必要はない。1日1本ずつ、練習の流れの中で切っていけばいい。

うまくいかない日は、触るところまで戻る

眠い日、遊び足りない日、体調がいつもと違う日は、どんなに丁寧にやってもうまくいかない。そういう日は2の段階まで戻って、足を包んだら終わりにする。戻ることは後退ではない。

もし足を触られるのを極端に嫌がる、足を地面につけたがらない、足先が腫れている、といった様子があれば、それは練習の話ではなく体の話になる。そのときは自分でなんとかしようとせず、動物病院で相談してほしい。爪そのものの異常なのか、足先の痛みなのかで、やることは変わってくる。

爪切りが嫌な作業になるかどうかは、爪を切る前の触れ方でだいぶ変わってくる。押さえ込んで1本切るより、触られて1本切るほうが、子猫にも人にもずっと楽だ。

縁側の猫係

著者について

縁側の猫係

幼い頃から猫と共に暮らしてきた人たちの著者名義です。畳や縁側のある暮らしのなかで、日々の食事、毛づくろい、トイレ、季節の備えを重ねてきた経験をまとめています。

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