猫の爪切りはどこまで切るか 自宅で続ける基本手順と頻度の目安

この記事の目次
  1. 頻度の目安は2〜3週間に1回、ただし伸び方は一定ではない
  2. 切るのは透明な鉤の先だけ、クイックは残す
  3. 伸ばし方は、肉球を親指で押すだけ
  4. 抱え方は引っ張らない、下から支える
  5. 前脚は後脚より伸びる、そして一番忘れる爪
  6. 1日1本でも、続いていれば完了
  7. 巻いてきた爪は、家で切らない
  8. 誰が切るか、も決めごとのうち
  9. 全部を直さなくていい、自分の止まる場所を一つ決める

猫の爪切りで切るのは、爪の先端にある透明な鉤状の部分だけです。ピンク色に見える血管と神経の入ったクイックは必ず残します。屋内で暮らす猫は外の粗い地面で爪を削れないため、2〜3週間に1回がおおよその目安です。ただし、これは暗記する一つの手順ではありません。頻度、抱え方、切る位置、脚ごとの難しさ、誰が切るかという、別々の判断が集まったものです。うまくいかないときは手順全体を疑うより、自分がどの判断で止まっているかを見つけるほうが早く進みます。

猫の爪切りはどこまで切るか 自宅で続ける基本手順と頻度の目安

私は長いこと、爪切りが苦手だった。苦手の正体は「切り方」だと思っていたけれど、振り返ってみると毎回つまずく場所が違っていた。切る位置で迷う日もあれば、抱え方で猫に逃げられる日もあった。誰がやるかで揉めた時期もあった。つまり、下手なのではなく、詰まっている場所の名前を知らなかった。

今はだいたい夜、リビングの床でやっている。膝に薄いタオルを一枚敷いて、猫の背中を自分のお腹に預ける。片手で前脚を下からすくうように支えて、もう片方の親指で肉球の上をそっと押す。爪が鞘から出てくる。この一連の動きを、頭の中で五つの判断に分けてから、迷い方が変わった。順番に並べていく。

頻度の目安は2〜3週間に1回、ただし伸び方は一定ではない

屋内飼いの猫は、外の粗いアスファルトや土を歩かない。歩いても爪はほとんど削れない。だから放っておけば伸び続ける。目安は2〜3週間に1回。これは覚えておいていい数字だ。

ただ、うちの猫はいつもきっちり3週間ではない。前脚の伸びが早く、後脚は遅い。冬のほうがゆっくりで、夏は少し早い気がする。だから「前回から何日」だけで決めずに、爪先を透かして見て、白い鉤の部分が伸びてきたら切る、という見方に切り替えた。カレンダーより爪を見るほうが正確だ。

切るのは透明な鉤の先だけ、クイックは残す

爪は根元に近いほどピンクで、先に行くほど白く透明になる。そのピンクの中に血管と神経が入っていて、切ってはいけない範囲を決めている。切るのは、そのずっと先、鉤のように曲がって尖った透明な部分だけ。

明るい場所で爪を透かすと、ピンクと白の境目はだいたい目で追える。暗い部屋でやると見えないので、私は照明をつけたまま床に座る。立ったまま爪を切ろうとすると、猫が足の上で不安定になって、爪どころではなくなる。

迷ったら、切る量を減らす。先端のごくわずかだけでも、続いていれば爪は短くなっていく。深く一気に切る必要はない。

伸ばし方は、肉球を親指で押すだけ

爪はもともと鞘の中にしまわれている。指で爪をつまんで引っ張り出すと、指の関節をねじることになって、多くの猫が嫌がる。

肉球の上に親指をそっと当てて押すだけで、爪がスッと出てくる。力はいらない。押しても出てこないときは、猫が力んでいるか、触られ方に慣れていないか。その爪は今日はやめて、別の日に回せばいい。

抱え方は引っ張らない、下から支える

猫を膝に乗せて、背中を自分の胸かお腹に預ける。切る前脚は、下から手のひらで包むように支える。

やってはいけないのは、脚を外側に引っ張り出して固定するやり方。私も最初はそうしていた。脚が一本だけ体から離れた状態になる。猫にとっては不安で、力ずくで抵抗してくる。今は、抱えるというより「猫が乗っていられる場所」を作る感覚に近い。前脚の下に手のひらを敷いて、上からは軽く添えるだけ。逃げようとしたら、いったん離す。離して、また抱く。これを繰り返すと、猫のほうが「逃げても戻ってくる」と覚えていく。

前脚は後脚より伸びる、そして一番忘れる爪

前脚のほうが後脚より伸びが早い。だから切る量も自然と前脚が多くなる。

見落としやすいのは、前脚の内側にある狼爪、第5爪だ。内側を向いて生えていて、歩くときに地面に触れない。伸びても気づかない。私も最初の何か月か、ずっと忘れていた。片側だけ妙に長くなっていて、ある日ふと見つける、ということが何度かあった。前脚を切るときは、外側の4本を切ったあとに必ず内側へ指を回す、と決めてから忘れなくなった。

後脚は爪が前脚より小さく、数も少ない。前脚を全部切ったところで猫が嫌がり始めたら、後脚は翌日に回す。それでいい。

1日1本でも、続いていれば完了

暴れる猫を一度に全部切ろうとすると、こちらが焦る。焦った手は強くなる。猫はそれを読む。そして、もっと暴れる。

1日1〜2本、数日かけて全部終われば、それは完了だ。爪切りは「今日全部やる」ものではなく「途切れないように続ける」もの。私も日を分けるようになってから、この作業が苦ではなくなった。1本で終わった日は、1本で終わった日として数えていい。

巻いてきた爪は、家で切らない

すでに爪が内側へ巻いて、肉球に当たりそうになっている。これは家で深く切って解決する場面ではない。

出血が続く、足先が腫れている、爪の形が変わって見える。そういうときも、自分で判断せず動物病院に相談する。深く切れば解決するという考え方が一番危ない。切る範囲を広げるほど、クイックに当たる可能性は上がる。だからここは手を止める場所だと、最初に決めておく。

誰が切るか、も決めごとのうち

一人で暮らしていれば関係ない。二人以上で暮らしているなら、切る人を固定するか、交代するかも、決めておいたほうがいい。うちは切る人を一人に決めている。単純な理由で、手の大きさと抱き方が変わると、猫が同じ姿勢を取りにくくなるから。違う人が切るなら、抱き方と肉球の押し方だけ先に揃えておくと、猫の負担が少ない。

全部を直さなくていい、自分の止まる場所を一つ決める

頻度、切る位置、伸ばし方、抱え方、脚ごとの難しさ、そして誰が切るか。並べてみると、これは一続きの作業ではなく、それぞれ別の判断だということが見えてくる。

だからうまくいかない日は、全部を見直そうとしなくていい。今日詰まったのはどこだったかを、一つだけ決める。抱え方で逃げられたなら、次は抱え方だけ変える。切る位置で迷ったなら、次はもっと浅く切る。

爪切りが続かないのは、意志が弱いからではない。詰まっている場所の名前を知らないだけだ。私はそうだった。名前がついた途端、直し方が見えてきた。

縁側の猫係

著者について

縁側の猫係

幼い頃から猫と共に暮らしてきた人たちの著者名義です。畳や縁側のある暮らしのなかで、日々の食事、毛づくろい、トイレ、季節の備えを重ねてきた経験をまとめています。

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