春の抜け毛はブラッシングの順番で減る被毛タイプ別の基本とコツ

この記事の目次
  1. 掃除の前に梳くという順番
  2. 被毛タイプで分ける
  3. 順番は毎回同じにする
  4. 1回を長くしない
  5. ブラシが苦手な猫
  6. 終わったあとに見ること
  7. 触ってはいけないもの
  8. 最後に一つだけ

春の抜け毛を減らす決め手は、掃除機でも粘着クリーナーでもなく、ブラッシングの順番と回数です。床に落ちてから拾うのではなく、落ちる前に体から毛を離しておく。しかも被毛タイプで梳き方は変わり、短毛なら細かいコームやラバーブラシで死毛を浮かせて取り、長毛なら毛束を分けて根元から梳きます。1回を長くやるより、短時間を1日2回に分けたほうが猫は落ち着いていて、結局いちばん多く取れます。

4月の午前、窓から差し込んだ光の中を、白っぽい短い毛がゆっくり沈んでいくのが見えます。前の晩に掃除機をかけたはずの床なのに、朝にはもう薄く積もっている。うちの猫はその光の帯の真ん中でのびをして、あろうことか自分で毛を散らしています。私はというと、長いこと順番を逆にしていました。起きたらまず床の掃除、そのあとでブラッシング。この順番だと、梳いている最中に落ちた毛を猫が歩いて部屋中に運んでいって、午後にはまた床が毛だらけになります。ある朝、先に梳いた日だけ床の毛が明らかに少ないと気づいて、そこから「梳いてから掃除」に固定しました。戻してみると、戻した日の夜にはもう違いが分かります。

掃除の前に梳くという順番

抜けかけの毛は、毛包から半分離れた状態で体に残っています。猫が歩くたび、跳ねるたび、そして空気が動くたびに、少しずつ床へ移っていく。先に取ってしまえば、その分だけ床に届く毛が減ります。掃除の効率の話ではなく、そもそも落とさない話です。

だから朝は、猫がごはんを食べて落ち着いたころにブラッシング、そのあとに床の掃除。入れ替えると、せっかく梳いても床に落ちた分を猫が踏んで運びます。フローリングでもカーペットでも同じことです。

被毛タイプで分ける

短毛の猫

短毛の猫は、見た目より下毛が残っています。表面のツヤはきれいなのに、毛流れに逆らって指で撫でるとザラッとする。これが死毛のサインです。細かいコームやラバーブラシで、まず毛を浮かせる。浮いたところをすくい取る。この二段階を意識すると、同じ回数でも取れる量が変わります。

コツは、1回でごっそり取ろうとしないこと。短毛は皮膚が近いので、強く何度も擦ると赤くなります。軽く10回を2セット、を各部に。

長毛の猫

長毛は「取る」より「絡ませない」が目的です。放っておくと下毛と上毛が絡んで、皮膚の近くでフェルトのような塊になります。ここまで来ると、家のブラシではもう戻せません。だから毎日少しずつ、毛を手で分けて層を作り、層ごとに根元から毛先へ梳きます。

全身を1回で終わらせようとすると、後半で猫が飽きます。今日は左半身、明日は右半身、くらいの気持ちでいい。実際、そのほうが塊はできません。

半長毛・ミックスの猫

和猫やミックスは、首まわりと尻尾だけ長くて他は短い、ということがよくあります。全身を同じ道具で同じようにやる必要はなくて、長いところは長毛のやり方、短いところは短毛のやり方。うちはこれでだいぶ楽になりました。

順番は毎回同じにする

頭のてっぺんから始めて、首、胸、前脚の付け根、脇、背中、腰、しっぽの付け根、後ろ脚。この流れを毎回変えません。猫は順番を覚えるので、先の見通しが立つと途中で逃げにくくなります。

抜け毛が集まりやすいのは、首まわり、胸、耳の後ろ、しっぽの付け根です。ここを後半に回すと、猫が飽きたころにいちばん量の多い場所が残ってしまいます。私はこの4か所を必ず前半に置いています。自分では届きにくい場所でもあるので、梳きがいがあります。

梳く方向は毛流れに沿って。逆毛は毛を浮かせたいときだけ使います。逆方向に何度も梳くと、絡みの原因になります。

1回を長くしない

春のピークは、20分を1回より、5〜10分を1日2回です。長くやると後半は逃げながらの作業になって、胸やお腹といった大事な場所が抜けます。前半と後半で分けると、猫は「もう終わり」と思えるので、次の回も捕まえやすくなります。回数を増やすほうが、トータルではるかに多く取れます。

時間帯は、食後か、猫が自分から寄ってくる落ち着いた時間。遊びの前後は興奮していて向きません。これは毎日同じにすると効きます。

ブラシが苦手な猫

いきなり道具を出すと、まず逃げます。うちは手で撫でるところから始めました。すでに触らせてくれる場所(たいてい顎の下か背中)を、いつもどおり撫でる。それだけで指に数本つきます。立派な抜け毛処理です。慣れたら柔らかい布、その次にやわらかい道具、という順番で。道具を変えるときは、1回につき1つだけ。

終わったあとに見ること

皮膚を見ます。赤くなっていないか、毛が逆立っていないか、猫が同じ場所を繰り返し舐めていないか。赤みがあれば、その日はそこで終了です。ブラッシングは皮膚の上を何度も擦る行為なので、取りすぎより擦りすぎのほうが問題になります。前日と同じ強さでやっていても、換毛期の終わりごろは皮膚が敏感になっていることがあります。

毛量だけを見ていると、このサインを見落とします。量より皮膚、と覚えておくといいです。

触ってはいけないもの

皮膚に張り付いた毛玉は、家庭用のはさみで切らないでください。皮膚をつまんで切ってしまう事故が起きます。自分で判断せず、動物病院かプロのトリマーに見てもらう領域です。

梳いても梳いても取れない、皮膚のすぐ上で毛が板のようになっている、という状態は、家のケアの限界のサインです。ここから先は無理をしない。

最後に一つだけ

春の抜け毛対策でいちばん効くのは、いい道具を探すことではなく、梳く順番と回数を固定して、それを掃除の前に置くことです。うちはこれで、朝の床の毛が目に見えて減りました。道具は今あるもので始めて、猫の反応を見ながら、必要だと感じたところだけ足していけば十分です。

縁側の猫係

著者について

縁側の猫係

幼い頃から猫と共に暮らしてきた人たちの著者名義です。畳や縁側のある暮らしのなかで、日々の食事、毛づくろい、トイレ、季節の備えを重ねてきた経験をまとめています。

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